帰国を前に、予定をぎちぎちに入れた生活。資料収集や人と連絡を取ることを優先している。先週の金曜日も朝からコピー屋と図書館へ。昼食はオスラヴィアのプリンチッチさんのところで取ることにした。プリンチッチ家の3人と気の知れたお客さん達と一緒に取る食事は美味しくて楽しい。メインの肉の質が高いし、ダリオさんの焼き方も絶妙。皿は「自分で塩をかけて味の調節してね」と無造作に供されるけど、別に気にもならない。いつものメンバー〔客〕が家族の一員のように場にとけ込んでいる不思議な空間だ。
 この日ゴリツィアーノの友達を誘って行ったら、別の高齢カップルとたまたま知り合いだったらしい。何でも子供の時に通っていた食料品店のご主人の親友だとかで、店でいつも顔を合わせていたらしい。あの店のプロシュットは最高に美味しかったとか、数学が得意だった夫婦の子供達は今エンジニアや教師をしている、なんて話まで。小さなゴリツィアならではのお馴染みの場面だ。
 この店は日本人のワイン関係の人に教えてもらった。店といってもおおっぴらにやっているわけではなく、あくまで口コミで広がる範囲の人達が「プリンチッチ家の面々と食事をする」のが建前。帰り際に奥さんが「私たちにとってワインというのは日常的な飲み物だけど、日本人の彼らは少し違うとらえ方をするのよね。情熱を注いで、職業的に専門的に捉えているっていうか…。」と言っていた。連れて行った友達は「日本人は他国の文化をよく勉強するようですね。」と反応していた。同感。
 この後近所を少し散歩したら、野原や雑木林は一面サクラソウやクロッカスでびっしり。絵に描いたような「お花畑」だった。あまりにも天気がよいので、仕事に戻る友達の車をサン・フロリアーノで降り、夕方まで散歩することにした。
primule
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